こんにちは。寒くなってきましたね、風邪をひかないよう予防をしていきたいところです。
では続きです。
怪奇事件縁側日記 夏・2
「地下牢の天使」
では続きです。
怪奇事件縁側日記 夏・2
「地下牢の天使」
翌日、4人が待ち合わせて入店した駅前の喫茶店で待っていたのは30前後の男女だった。こちらに気付くと女の方が柔和な微笑みで会釈する。
「はじめまして……って感じでもないわね、ひよどりさん。クリスティーです」
「あなたが……クリスティーさん……はじめまして、ひよどりです」
優が驚きを隠せないままに自己紹介する。
「いつもお話ししてる、友達の白露、flute、ナズナです」
はじめまして、と3人が会釈すると、クリスティーはにこりと笑みを深くした。
「はじめまして。私も紹介するわね。詩原光貴、私の夫であり歌の師匠よ」
紹介された光貴は涼香たちの視線を浴びるなりクリスティーの陰に隠れてしまった。
「美歌子、私はやっぱり帰りたいよ」
「美歌子……って、クリスティーさんの?」
「ええ。私の本名は詩原美歌子。……12年前の文化祭で、クリスティーヌを歌ったわ」
そして、詩原美歌子は語り始めた。
「私が光貴さんと出会ったのは、菊花学園の入学式の後だったわ。近くのアパートに引っ越す前で、親戚の家に帰りたくなかったから講堂の中をぶらぶらしてたのね。そのときに迷い込んだのが地下だった」
美歌子は講堂に地下があったなどとは知らず、しばらく戸惑っていたらしい。当然の反応である。
「でも、歌声が聞こえたのよ」
歌声が聞こえた。それは詩原美歌子という人間にとって、人生の大きな転換点だったのかもしれない。
「すごく綺麗な声だった。もっと聴きたくて、歌声の聞こえる方に歩いていったら、彼……光貴さんがいたの」
美歌子はにこりと笑った。
「それが、馴れ初めですか?」
「そうよ。彼は仮面で顔を隠していたけれど、私は怖くなかった。だから聞いたの。あなたは誰?こんなところで何をしているの?って」
美歌子にとってはとるに足りない質問だったのだろう。しかし、傍らの光貴はびくりと身体を震わせた。
「誰か、来るとは思わなかったんだ。それまではずっと一人でね。……あそこは地下牢だったのかな。鍵はかかっていないけど、出ることは許されなくて、一人は怖くて……ほとんどの時間は真っ暗な中でずっと震えてた」
「そこに、クリスティーが現れた」
「そう。ときどき使用人が来る程度だったのが、15年前のあの日、美歌子が来たんだ。……たまたま『オペラ座の怪人』に憧れて歌っていたから気づいたのかな。彼女は……とても輝いて見えた。この子が音楽の天使なんだと思った」
美歌子が光貴の肩に甘えるように頭を乗せた。さらさらと栗色の髪が揺れる。
「私は……光貴さんこそが音楽の天使だと思ったの。……私ね、幼いころに両親を亡くして、親戚の家を盥回しにされたの。親戚の家は何となく居づらかったし、ずっと気を使われて、どうしても馴染めなかった。歌うことが好きだったけど、歌うたびに能天気な娘だって白い眼で見られてた。……光貴さんはそんな私を……私の歌声を認めてくれたの。私が歌うことを……歌声を、女神の歌声のようだって言ってくれた。嬉しかったわ。……きっと私、この時恋に落ちたのね」
「美歌子……」
「私のファントムは、私のためなら何でもしてくれると言った。私の幸せのためなら、何でもしてくれるって……だから、お願いしたの。私の歌の先生になってほしいって」
光貴がふるふると頭を振った。
「……本当にそれでいいのかって聞いた。私の素性を明かせば、富を得られる。そうすれば一人で生きていくこともできるだろうと思った……でも」
「クリスティーはそうしなかった」
さらりと流れる栗色の髪を見つめて、優が呟いた。
「何故です?それに……光貴さんの素性って」
光貴が俯く。
「……すまない、それは……今は……話せない。もし必要なら……その時に」
「ごめんなさい、彼はそのせいでいつも辛い思いをしていたの。……私は、彼の素性なんて関係なかった。彼の歌を聞いて、彼のそばにいて、彼と歌えればそれでよかった。でも本当は知っていたわ。あの地下牢が途轍もなく広くて、囚われていたのは彼だけではなかったことを……でも、私には彼だけが必要だった」
「地下牢にはたくさんの部屋があったのかもしれない。私のいた場所には古びた日記があったからほかにも閉じ込められていた人がいたのだろう。……しかし、私たちが会うことはなかった。あの時ですら」
「あの時?」
明日華が怪訝そうな顔で繰り返す。美歌子が幸せそうに目を瞑った。
「逃げ出したの。雨の日だったわ。……ちょうど12年前の、卒業式の日だった。私はいつも懐中電灯を持って地下牢に行ったのだけれど、そこで彼にひどい痣があるのを見てしまった。その時にはもうクリスティーヌを歌っていて、私を好きだって言ってくれる人もいたけれど……私は、私の心にはずっと光貴さんがいた。光貴さんを……助けたいって、恩返しをしたいって、……愛してるって思ったの。だから、彼をひどい目に遭わせるあの地下牢が嫌だった。一緒に逃げて、逃げられるところまで逃げて、彼と幸せになりたいって思ったの」
「逃げて……幸せに、なりたい……」
「そうよ。彼を説得するのは大変だった。だけど……最後は強引に手を引いて、逃げ出したわ。私服を持ち込んで、光貴さんに服を着せて、地下牢から用水路に出て、地下水路を伝って逃げたわ。警報が鳴って、警備員が来たけれど、最後は彼が私を抱き上げて走ってくれた。走って走って……バイトしてためたお金を使って私が密かに借りたアパートが見えた時、彼との幸せな未来が見えたの。……だから、……新しいクリスティーヌがいるのなら、伝えてほしいの。……ラウルを選ぶならそれでもいいけど、ファントムと一緒にいた時間の暖かさを、忘れてしまわないで、否定してしまわないで……って」
そう告げたかつてのクリスティーヌの瞳は、どこか寂しげだった。
学校に戻ると、剛野淳史が急ごしらえのプラスチックのシャンデリアの前で蹲っていた。
「剛野君……?」
「……舞子はどうしてあんな目に遭ったんだ」
ぽつりと独り言のように淳史が呟いた。
「……」
「舞子は……クリスティーヌが好きだったんだ。あの音楽の天使に愛された、あの才能が羨ましくて、……二人の男に愛されても自分を貫く芯の強さを持ったクリスティーヌが好きだった。いつだったか、どこかの劇団の公演を見に行って、そこでクリスティーヌになりたい、できないならせめてクリスティーヌを歌いたい……いつもそう言ってたよ。だから……だからあいつはずっと血の滲むような努力をして……毎日声楽のレッスンに通い詰めて、その日を待ってた。ようやく選ばれて……来栖のことはそりゃあよくは思ってなかったけど、俺の部屋に来て、クリスティーヌを歌えること、泣きながら喜んでたんだ。なのに……あんなことになって」
「……」
朝倉舞子はカルロッタのほうが向いている、というのが涼香の本音だった。あの傲慢なまでの気位の高さはクリスティーヌにきつく当たったカルロッタそのものだと思っていた。
けれど、本当は舞子はクリスティーヌそのものになりたかったのだ。不遜の色が濃く出ていたあの歌声も、きっとクリスティーヌを歌いたいという切なる願いの裏返しだったのかもしれない。
「……音楽の天使は、何故舞子に微笑まなかった?なんで来栖なんだよ……」
消え入りそうな声が放課後の教室に響く。
「出来ることなら……俺が音楽の天使になって、舞子を舞台に立たせてやりたかった……」
「……なんで、ラウルじゃないの?」
なんの感情も宿らない声がやはり独り言のように響いた。唯奈だ。
「唯奈……?」
「なんでラウルじゃないの?クリスティーヌは確かに音楽の天使が……ファントムがオペラスターにしたけれど、結局はラウルと一緒に逃げたじゃない。ファントムを愛すって言っておいて、心はラウルを選んだじゃない」
しかしその言葉に彼は首を横に振った。
「ラウルはきっと後悔したと思う。……ファントムはクリスティーヌを怖がらせたし、ラウルの命と引き換えに自分を愛させようとした。……でも、そうでもしなければクリスティーヌは二人の間で迷うだけだったよ。プリマドンナの座と、恋する男の命と……ファントムはわざと選べるようにしたんだと思う。それをクリスティーヌが承知していないはずがないし、ファントムにしたってよく映画や舞台で描かれるような顔も心も醜い男じゃないはずだ」
「……」
「ラウルとクリスティーヌが恋愛感情で結ばれているように、ファントムとクリスティーヌの間には特別な信頼関係……愛情があったんだと思う。ファントムと決別してからラウルはクリスティーヌの中にファントムとの絆があったと気付いて、自分では埋めようのない彼女の心の穴に一生傷ついていくんだと……そう思うから。……俺はラウルじゃなくて、恋とか愛とかそんなものじゃない特別な愛情でクリスティーヌと一緒にいられる音楽の天使……ファントムになりたいんだ」
『新しいクリスティーヌがいるのなら、伝えてほしいの。……ラウルを選ぶならそれでもいいけど、ファントムと一緒にいた時間の暖かさを、忘れてしまわないで、否定してしまわないで……って』
淳史の言葉が、美歌子の言葉を思い出させる。
淳史は、美歌子が光貴に貰った愛と同じものを舞子に捧げようとしていたのだろう。
涼香の視界の端で、友人がぎりりと拳を握りしめた。
「はじめまして……って感じでもないわね、ひよどりさん。クリスティーです」
「あなたが……クリスティーさん……はじめまして、ひよどりです」
優が驚きを隠せないままに自己紹介する。
「いつもお話ししてる、友達の白露、flute、ナズナです」
はじめまして、と3人が会釈すると、クリスティーはにこりと笑みを深くした。
「はじめまして。私も紹介するわね。詩原光貴、私の夫であり歌の師匠よ」
紹介された光貴は涼香たちの視線を浴びるなりクリスティーの陰に隠れてしまった。
「美歌子、私はやっぱり帰りたいよ」
「美歌子……って、クリスティーさんの?」
「ええ。私の本名は詩原美歌子。……12年前の文化祭で、クリスティーヌを歌ったわ」
そして、詩原美歌子は語り始めた。
「私が光貴さんと出会ったのは、菊花学園の入学式の後だったわ。近くのアパートに引っ越す前で、親戚の家に帰りたくなかったから講堂の中をぶらぶらしてたのね。そのときに迷い込んだのが地下だった」
美歌子は講堂に地下があったなどとは知らず、しばらく戸惑っていたらしい。当然の反応である。
「でも、歌声が聞こえたのよ」
歌声が聞こえた。それは詩原美歌子という人間にとって、人生の大きな転換点だったのかもしれない。
「すごく綺麗な声だった。もっと聴きたくて、歌声の聞こえる方に歩いていったら、彼……光貴さんがいたの」
美歌子はにこりと笑った。
「それが、馴れ初めですか?」
「そうよ。彼は仮面で顔を隠していたけれど、私は怖くなかった。だから聞いたの。あなたは誰?こんなところで何をしているの?って」
美歌子にとってはとるに足りない質問だったのだろう。しかし、傍らの光貴はびくりと身体を震わせた。
「誰か、来るとは思わなかったんだ。それまではずっと一人でね。……あそこは地下牢だったのかな。鍵はかかっていないけど、出ることは許されなくて、一人は怖くて……ほとんどの時間は真っ暗な中でずっと震えてた」
「そこに、クリスティーが現れた」
「そう。ときどき使用人が来る程度だったのが、15年前のあの日、美歌子が来たんだ。……たまたま『オペラ座の怪人』に憧れて歌っていたから気づいたのかな。彼女は……とても輝いて見えた。この子が音楽の天使なんだと思った」
美歌子が光貴の肩に甘えるように頭を乗せた。さらさらと栗色の髪が揺れる。
「私は……光貴さんこそが音楽の天使だと思ったの。……私ね、幼いころに両親を亡くして、親戚の家を盥回しにされたの。親戚の家は何となく居づらかったし、ずっと気を使われて、どうしても馴染めなかった。歌うことが好きだったけど、歌うたびに能天気な娘だって白い眼で見られてた。……光貴さんはそんな私を……私の歌声を認めてくれたの。私が歌うことを……歌声を、女神の歌声のようだって言ってくれた。嬉しかったわ。……きっと私、この時恋に落ちたのね」
「美歌子……」
「私のファントムは、私のためなら何でもしてくれると言った。私の幸せのためなら、何でもしてくれるって……だから、お願いしたの。私の歌の先生になってほしいって」
光貴がふるふると頭を振った。
「……本当にそれでいいのかって聞いた。私の素性を明かせば、富を得られる。そうすれば一人で生きていくこともできるだろうと思った……でも」
「クリスティーはそうしなかった」
さらりと流れる栗色の髪を見つめて、優が呟いた。
「何故です?それに……光貴さんの素性って」
光貴が俯く。
「……すまない、それは……今は……話せない。もし必要なら……その時に」
「ごめんなさい、彼はそのせいでいつも辛い思いをしていたの。……私は、彼の素性なんて関係なかった。彼の歌を聞いて、彼のそばにいて、彼と歌えればそれでよかった。でも本当は知っていたわ。あの地下牢が途轍もなく広くて、囚われていたのは彼だけではなかったことを……でも、私には彼だけが必要だった」
「地下牢にはたくさんの部屋があったのかもしれない。私のいた場所には古びた日記があったからほかにも閉じ込められていた人がいたのだろう。……しかし、私たちが会うことはなかった。あの時ですら」
「あの時?」
明日華が怪訝そうな顔で繰り返す。美歌子が幸せそうに目を瞑った。
「逃げ出したの。雨の日だったわ。……ちょうど12年前の、卒業式の日だった。私はいつも懐中電灯を持って地下牢に行ったのだけれど、そこで彼にひどい痣があるのを見てしまった。その時にはもうクリスティーヌを歌っていて、私を好きだって言ってくれる人もいたけれど……私は、私の心にはずっと光貴さんがいた。光貴さんを……助けたいって、恩返しをしたいって、……愛してるって思ったの。だから、彼をひどい目に遭わせるあの地下牢が嫌だった。一緒に逃げて、逃げられるところまで逃げて、彼と幸せになりたいって思ったの」
「逃げて……幸せに、なりたい……」
「そうよ。彼を説得するのは大変だった。だけど……最後は強引に手を引いて、逃げ出したわ。私服を持ち込んで、光貴さんに服を着せて、地下牢から用水路に出て、地下水路を伝って逃げたわ。警報が鳴って、警備員が来たけれど、最後は彼が私を抱き上げて走ってくれた。走って走って……バイトしてためたお金を使って私が密かに借りたアパートが見えた時、彼との幸せな未来が見えたの。……だから、……新しいクリスティーヌがいるのなら、伝えてほしいの。……ラウルを選ぶならそれでもいいけど、ファントムと一緒にいた時間の暖かさを、忘れてしまわないで、否定してしまわないで……って」
そう告げたかつてのクリスティーヌの瞳は、どこか寂しげだった。
学校に戻ると、剛野淳史が急ごしらえのプラスチックのシャンデリアの前で蹲っていた。
「剛野君……?」
「……舞子はどうしてあんな目に遭ったんだ」
ぽつりと独り言のように淳史が呟いた。
「……」
「舞子は……クリスティーヌが好きだったんだ。あの音楽の天使に愛された、あの才能が羨ましくて、……二人の男に愛されても自分を貫く芯の強さを持ったクリスティーヌが好きだった。いつだったか、どこかの劇団の公演を見に行って、そこでクリスティーヌになりたい、できないならせめてクリスティーヌを歌いたい……いつもそう言ってたよ。だから……だからあいつはずっと血の滲むような努力をして……毎日声楽のレッスンに通い詰めて、その日を待ってた。ようやく選ばれて……来栖のことはそりゃあよくは思ってなかったけど、俺の部屋に来て、クリスティーヌを歌えること、泣きながら喜んでたんだ。なのに……あんなことになって」
「……」
朝倉舞子はカルロッタのほうが向いている、というのが涼香の本音だった。あの傲慢なまでの気位の高さはクリスティーヌにきつく当たったカルロッタそのものだと思っていた。
けれど、本当は舞子はクリスティーヌそのものになりたかったのだ。不遜の色が濃く出ていたあの歌声も、きっとクリスティーヌを歌いたいという切なる願いの裏返しだったのかもしれない。
「……音楽の天使は、何故舞子に微笑まなかった?なんで来栖なんだよ……」
消え入りそうな声が放課後の教室に響く。
「出来ることなら……俺が音楽の天使になって、舞子を舞台に立たせてやりたかった……」
「……なんで、ラウルじゃないの?」
なんの感情も宿らない声がやはり独り言のように響いた。唯奈だ。
「唯奈……?」
「なんでラウルじゃないの?クリスティーヌは確かに音楽の天使が……ファントムがオペラスターにしたけれど、結局はラウルと一緒に逃げたじゃない。ファントムを愛すって言っておいて、心はラウルを選んだじゃない」
しかしその言葉に彼は首を横に振った。
「ラウルはきっと後悔したと思う。……ファントムはクリスティーヌを怖がらせたし、ラウルの命と引き換えに自分を愛させようとした。……でも、そうでもしなければクリスティーヌは二人の間で迷うだけだったよ。プリマドンナの座と、恋する男の命と……ファントムはわざと選べるようにしたんだと思う。それをクリスティーヌが承知していないはずがないし、ファントムにしたってよく映画や舞台で描かれるような顔も心も醜い男じゃないはずだ」
「……」
「ラウルとクリスティーヌが恋愛感情で結ばれているように、ファントムとクリスティーヌの間には特別な信頼関係……愛情があったんだと思う。ファントムと決別してからラウルはクリスティーヌの中にファントムとの絆があったと気付いて、自分では埋めようのない彼女の心の穴に一生傷ついていくんだと……そう思うから。……俺はラウルじゃなくて、恋とか愛とかそんなものじゃない特別な愛情でクリスティーヌと一緒にいられる音楽の天使……ファントムになりたいんだ」
『新しいクリスティーヌがいるのなら、伝えてほしいの。……ラウルを選ぶならそれでもいいけど、ファントムと一緒にいた時間の暖かさを、忘れてしまわないで、否定してしまわないで……って』
淳史の言葉が、美歌子の言葉を思い出させる。
淳史は、美歌子が光貴に貰った愛と同じものを舞子に捧げようとしていたのだろう。
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