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怪奇事件縁側日記「籠の中の鳥」12

さて、今回は優オンリーです。そろそろこの話の季節になりましたね。今月末には終わるといいなぁ。
では、どうぞ。

怪奇事件縁側日記 夏・1
「籠の中の鳥」

その夜、優は某掲示板にアクセスした。七条兄妹のことを知るためである。
『学園側が御祓いを依頼した、って聞いたんだけど?』
何分か後にページを更新すると、書き込みがあった。『ヴィオレッタ』と『メイプル』のものだ。
『私も聞いたわ。実際若嶋神社の兄妹が調べてるらしいわよ』
『聞いたよ。学園長もなにも生徒に頼まなくてもと思うけど』
返信する。
『若嶋神社の兄妹って?』
『七条香月と葉月。二人とも吹奏楽部よ。まぁ、美形の兄妹だけど二人とも変人だけどね』
『なかなか面白いけど、異常事態に自分の力を進んで貸すことはないんだよね。何がやりたいのかさっぱり分からない』
『進んで貸すことはない、って?』
メイプルが答える。
『御祓いもそうだけど、何か憑いてるかとか祟られているかとかの霊能者みたいな真似も頼まれなきゃやらないんだよね。それで一部からはインチキ霊能者呼ばわりされてる』
『まぁ、呪詛を頼まれたりして断った、なんて事もあったみたいだけれどね。そのせいでインチキ呼ばわり。……霊能者には辛いご時世よね』
ヴィオレッタの書き込みには同情が漂っていた。重ねてひよどりは質問する。
『成功率ってどれぐらいなの?』
『う~ん、どのぐらいだろう。なにも憑いていない人に憑いていないって言って失敗呼ばわりされたときもあったようだから正確には分からないんだけど……』
『だいたい95%ぐらいじゃない?妹のほうは確実なものしか受けないらしいし、兄のほうは大分冒険しているみたいだし?まぁ、呪詛を申し込んで断られた腹いせに出来ないからやらないんだろうなんて言っている輩もいるけれどね』
成功率95%(推定)の霊能者兄妹。実際にあったときはそんなに凄い人物のようには見えなかったが、彼らが凄いと賞賛するからにはそうなのだろう。二人揃って世間知らずの変人だというのは同じ部活の涼香の弁だが、どうも本当にそうらしい。
『そう言えば外部からの依頼は受けているの?』
『どうなんだろう?受けている、といえば受けているのかな……?』
『分からないわ。何しろ若嶋神社は口コミで営業しているようなところだし』
七条香月は学年で二番目ぐらいに名前の出てくる美青年ではあったけれど世間知らずのシスコンだと涼香のお墨付きを貰っている。千川薫を見たときは変人といった感じではなかったけれど、もしかしたら本当に変人の類なのかもしれない。ついでに霊能者としての腕はかなり良いが、たまに無茶もやらかす、というのが掲示板での評価だろうか。
七条葉月は美少女ではあったけれど、やはり世間知らずだというのが涼香の弁だ。霊能者としての腕は兄よりも少し劣るぐらいだろうか。堅実なものしか受けないために成功率が上がっている、といった所かもしれない。
そして二人に共通するのが変人という評価と頼まれなければ霊能者として仕事をしない、という所か。それはそうだろう、と思うが、それでいいのだろうかとも思う。
そもそも七条兄妹は霊能者ではなく神職なのだが、全員その辺りは気にしないようである。が、神職とはそもそも神に仕える仕事で、こんな霊能者みたいな真似をして油を売っていてもよいものだろうか。よくはないと思うのだが、彼らが霊能者の真似事をしているその理由が聞きたかった。
『二人が霊能者みたいなことをやっているのってどうしてなの?』
『それが分からないのよね……本来神社の巫女とか神主みたいな神職って言うのは神社本庁神職階位の試験に合格していなければならないのよ。その辺も合格しているのかどうかも怪しいし……それにそういうのって大学で取ることも出来るじゃない?』
『神道系の大学は日本で2校しかないけどね。そっちでも狙ってるのかな?』
『狙ってるならとっくに受験勉強してるでしょ。……あ、でもあの辺って特別推薦枠みたいなのがあるんだったわね』
「恐るべし、七条兄妹……ってところかしら。これだけ情報が拡散しているなんて……」
しかもどうでもいい情報ばかり。七条兄妹の肝心の部分はさっぱり分からない。全く分からないならまだしも、こんなに中途半端な状態で隠されると知りたくなってしまう。けれど、優の胸には別のことが去来していた。
(私……上手く隠せてるかしら)
隠さなければいけないこと。決して気付かれたくないこと。
普段は隠して笑っているけれど、それは所詮、仮面でしかないのだ。
言うことなんか出来なくて、ずっと心の中で降り積もっていく悲しみの澱が、彼女はずっと嫌いだった。
どうして私だけ、と悩んだ。
それでも、優は答えを出せずにいる。
どうしたら心の整理がつくのか、考えるのが怖いから。

かぁごめ、かごめ。
囲まれたら逃げられない。
出してやらなきゃ逃げられない。
お前は永遠に私を閉じこめる鳥籠。
お前の命は私のもの。
さぁ、私の愛し子よ。
私の命を生きなさい。
私の永遠を生きなさい。
私はお前の中にいる。
お前の身体が朽ち果てるまで、私たちはお前の中にいる……。
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テーマ : 連載小説 - ジャンル : 小説・文学

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紅崎姫都香

Author:紅崎姫都香
誕生日:4月28日
血液型:A
趣味:小説書き、イラスト描き、楽器演奏
年齢:23。
好きな物(漫画と小説):いろいろ。ツイッターと二次創作ブログでいろいろ書いてるのが好きです。
カップリングもいろいろです。二次創作してるのが主な萌え。
色々なネタで呟きます→@kurekito

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