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怪奇事件縁側日記「籠の中の鳥」9

どうにか次回のUP分も書きためたのでUPします。
しかしアレですね、私は怪談ものはダメなのになんで書いてるんだろう。
というわけで、どうぞ。

怪奇事件縁側日記 夏・1
「籠の中の鳥」

かぁごめ、かごめ
かぁごのなぁかの鳥は
いついつ出やぁる
夜明けの晩に
鶴と亀がすぅべった
後ろの正面
だ、ぁ、れ……?

私が好きなのは赤い鳥。真っ赤にその羽を染めた赤い鳥。
あなたが好きなのは何色の鳥?
私が好きなのは白い鳥。まるで白いシャトルのように飛んでゆく白い鳥。
あなたが好きなのは何色の鳥……?
ねぇ、答えてよ、私の大切なお友達。
神様でも降りてしまったの?

次の日は休日だったので翌週の月曜日、放課後の教室に集まった涼香達はそれぞれの進展を報告した。
が、特にはっきり分かったと言うことはない、ということしか分からない状態なので四人が四人ともそろって溜息を吐いた。
「何もないって言うのはどういう事なんだろ……」
唯奈が首を傾げる。
「多分アレじゃない?聞いていなかったりするんじゃない?」
涼香が答えると、明日華が唸る。
「聞いてなかったり、かぁ……」
優ががたんと椅子をならして立ち上がった。
「一応近所で聞き込みしてこようかなと思うんだけど……」
「あ、私も行く」
明日華がつられて立ち上がったので、涼香は一つ頼み事をする。
「明日華」
「ん?」
「スーパー田村麿でタイムセールやるらしいから、ついでに行ってきてくれる?」
明日華が露骨に嫌そうな顔をした。

数十分後、やることもやり尽くした二人は冷房の効いた部屋で頭を抱えていた。
「はぁ、困った……」
「ブルームーンのコンタクト待ち……か」
「結局何も収穫なし、ってところね……」
「うん。それが問題だわ」
涼香がプリントアウトした紙を前にため息をつくと、唯奈が唸った。
「今のところ凶器も何も見つかってないし、春の失踪事件からこっち警備は厳重なはずなのよね……」
「後はあれ、毎年の夏季限定集団仮病」
「あ、そっちも情報は入ってるのね」
「っていうかうちの従兄がね、生徒会長やってたのよ。それで」
「そうなんだ……うちも知り合いが菊花学園の出身でね、なんか言ってたわ」
なるほど、と返してプリントに目を落とす。
現在分かっているのは次の通り。
夏になると急に保健室を訪ねる人数が増える。
唄が聞こえて眠れない生徒が出てくる。
夕方の裏庭に行くとたまに小さな子が遊んでいるのを見る。
夕方の裏庭には行ってはいけない。
「ま、あとはあの二人待ちかしら」
「そうね……ついでにタイムセールも行ってくれるらしいから助かったけど」
「あぁ、駅前のスーパー田村麿の?」
「そうそう。あそこの野菜が結構安くてね、私よく買ってくるの」
そんなことを話していると、がらりとドアが開いて疲れた顔をした明日華と暑そうな顔をした優が入ってきた。
「暑いぃ~……ねぇ涼香ぁ、タイムセールってなんであんなに人がいるのぉ?」
明日華は荷物の入ったビニール袋を机に置いて、どさりと椅子に腰掛ける。
「明日華ちゃん、ほら、アイス買ってきたじゃない」
優が手に持った袋の中からアイスクリームのカップを取り出す。
「アイス~……」
「明日華。あんたそんなに暑さに弱かったっけ」
「別にぃ~……だってさ、体調不良の人とかに話聞いてきたらみんな同じ反応なんだからアイスも欲しくなるじゃない」
「ま、それはそうだけど……で、みんな同じ反応って?」
「暁久さん、ドンぴしゃ。みんな唄が聞こえるって」
そう言えば暁久は何人かが失踪し、大量の血痕が遺されていたとも言っていた。
「失踪した人は?」
「それもドンぴしゃ、みたいよ」
「聞こえてたのね」
「そう。あと、なんか現場に鳥の羽があったとかって聞いた」
「鳥の羽?なにそれ」
「だから鳥の羽。何の鳥かは分からないけど、たまにその辺にあったみたいよ」
「鳥の羽……あ」
唯奈がぽん、と手を叩く。
「どうしたの?」
「そういえば……忘れてた……」
「え!?」
ちょこっとお邪魔したのよ、データベースに、と唯奈が叫ぶ。
「データベースってどこの!?」
「警察!」
「警察!?で、何を忘れてたの?」
優がきょとんと尋ねると、唯奈は眉尻を下げて申し訳なさそうに「鳥の羽……」と呟いた。
「鳥の羽って」
「遺体の傍にいっぱい散ってたっての、報告書に載せるの忘れてた……」
そういえば報告書にはそういうことは乗っていなかった。もう、と優が仕方なさそうに頬を膨らませて、これからは気をつけるのよと言った。
「でも、鳥の羽……か……」
「何の鳥かしらね。……データベースにも載ってなかったし」
唯奈が首を傾げる。涼香はしばし考え込んで返答する。
「大学なんかに送ればいいんじゃない?設備的にも恵まれてるだろうし」
「送付済みよ。でもわからなかったって」
謎の鳥の羽。しかし、ここで優がとんでもない発言をした。
「ていうか、大学について封筒を開けたら鳥の羽なんて無かったんですって」
「え、それって……」
「消えた、ってことよね」
消えた羽。行方知れずの現場に遺されていた血痕。
「まさか、遺体を持ち去った?」
だが、誰が、何のために?

『なるほど、そこまで分かったわけだ。うん、あっちからも情報が入ってるよ』
『そう。……で、私たちにだけ情報を吐かせて、あなたはどうなの、電波の貴公子さん?』『うーん、せめて電波の王子様がいいなぁ。こっちもいろいろと情報が入ったよ』
きた、と涼香は身構えた。ブルームーンはナズナに対しては絶対に暗号めいた情報を与えない。与えるとすればそれは秘密の逢い引きの時だけだ。
『実は、と言ってももうナズナさんも知っているだろうから今更だろうけど、遺体が放置されるのは今年が初めてのケースなんだ』
『それは血まみれの失踪現場が殺人現場ってこと?』
『そう。そして現場に放置されていた鳥の羽は今回もあった。が、やっぱり警察に押収された時に消えちゃったみたいだよ』
『消えた……じゃあ何年か前の事件と同じ犯人が起こした?』
『何とも言えない。ただ、同じ犯人だとしたら、そいつは絶対に人間じゃない。僕らには波長が合わなければ見えない類の生き物だ』
『人間じゃない……?』
うん、とブルームーンは続ける。
『だってこの辺り、そういう伝説が前から残っているんだから』
「そういう伝説が……残っている……!?」
『伝説ですって?』
『そう。夕暮れ時に遊んでいると鶴姫様に食べられる、っていう伝説なんだけどね……あぁ、そう言えば3年C組の橘川里流って知ってる?そいつにきいてご覧、きっと微に入り細に入り話してくれるから』

7月13日 8:00
「橘川先輩?あぁ、確かに知ってる気がするけど……」
携帯なくしちゃったのよねあの人、と優は人差し指を唇に押し当てて思案した。涼香もそれに付き合って一緒に考える。
「そうだ、確か籠原先輩が同じクラスかなんかじゃなかった?」
「あ~……なるほど、その手があったわね」
そんなわけで唯奈に頼み込み、その日の放課後、籠原雅を仲介にして橘川里流に話を聞くことに相成ったのであった。
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テーマ : 連載小説 - ジャンル : 小説・文学

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紅崎姫都香

Author:紅崎姫都香
誕生日:4月28日
血液型:A
趣味:小説書き、イラスト描き、楽器演奏
年齢:23。
好きな物(漫画と小説):いろいろ。ツイッターと二次創作ブログでいろいろ書いてるのが好きです。
カップリングもいろいろです。二次創作してるのが主な萌え。
色々なネタで呟きます→@kurekito

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