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杉田真由子の探偵日記「魔女の狩人殺人事件」29

続きです。推理編その2。
では、どうぞ。

杉田真由子の探偵日記
「魔女の狩人殺人事件」


「勿論あなたが直接仕掛けたわけではありません……私の言っている意味が分かりますね?」
なんのことか分からない。アニーの顔にはありありとそう書かれていた。
彼女が分からないのも無理はない。
だって彼女は犯人ではないのだから。
「どういう事です?」
ケリーが聞き返す。
「あなた方は妖精さんです……日本で言うところの陰陽師が使う式神なんです」
式神。
つまりは、使役されるもの。
常人の目には見えない存在ということだ。
意味を察したらしく、紅音が確認するように問う。
「つまり、アニーは誰かに命令されて落書きを行った、そういうことだろ?」
「そうです。そしてそれは偶然にも、魔女を名乗る犯人が計画していたトリックと同じものでした。ですから、魔女ヴィオリアが人間へと報復を行っていると私たちが仮定している限りあなたたちは私たちの目に『見えてはならない』のです」
「でも、私たちは物理的に存在しています!妖精じゃありません!」
「知っています。……けれど、あなたたちは自主的に働いているけれど誰かに仕える存在、スターアイ・グループのメンバーの命令には必ず従う存在です。あなた方は扉の落書きからの一連の事件に於いて、命じられるままに色々な役を演じていた。本職のメイドは勿論、警察に通報する役や魔女ヴィオリアの存在を演出する役……そして、毒物を飲食物に混ぜる役も演じていたのではないですか?」
「そんなこと……ありません!なんでそんなこと言うんですか?私、毒なんて入れてないのに……」
アニーは今や顔面蒼白で、ぺたんと絨毯の上に座り込んで泣きじゃくりながら抗議していた。メアリが怒鳴りかける。
「嘘を……」
「……そうですね」
彼女の抗議を真由子は受け入れる。別に抗議を呑んだわけではない。
「毒を入れたのはあなたではないでしょう。……だってあなた、第一殺人時の朝食の準備時、私と朱奈ちゃんと一緒にいたじゃありませんか。第二殺人の時は私たちみんなと応接間で一緒だったでしょう?第三殺人の時は私に物置の説明をしてくれた。ほら、あなたに毒を放り込むチャンスなんてないんです」
「真由子さん……」
ケリーがほっとしたように真由子のほうを見る。頷き返してから真由子は本筋に戻ることにした。
「さて、先ほどの落書きの件ですが、あんな内容を書かれて皆さんは魔女ヴィオリアの仕業だと言い出した……これは昔からまことしやかに囁かれていた伝承だから、ということで差し支えないでしょう。では、どうしてヴィオリアがこの家の中に入ることができたのでしょう?」
「魔女だから、って理由で片付けられない根拠があるって事よね?」
「そう。未来ちゃん、ヴィオリアの伝承の最後って覚えてる?」
未来が手帳を捲る。
「『村ではその二人の勇姿を称えて、ハーブで作った十字架を家の戸の前に掛けるようになった』……そういえば、この家にも掛けてあるって言ってた……」
「うん。確かに私、確認のためにお隣のお家を見てきたんですが、どちらも掛けてありました。けれど、このローズシープ邸だけはゲストハウスを含めてハーブの十字架が掛かっていなかったんです。だからヴィオリアの仕業だと言っても差し支えなかった……でも奇妙だと思いませんか?」
「奇妙?」
「十字架をかざされてヴィオリアは消えたのに、どうして十字架をむしり取ることができたんでしょう?ヴィオリアが十字架に触れることはできないんですよ?」
「あ……!」
十字架に触れられないヴィオリア。
にもかかわらず取り払われた十字架。
ドアに書かれた『TO HELL』の文字。
妖精役の存在。
「以上から導き出される結論は『妖精役、もしくは妖精役に命じた人間が取り払った』となります。これで殺人事件の犯人が行動しやすくなるステップができました。それと、三度その辺に手紙が落ちてましたよね?千切られたバラ入りの」
「あの『REGRET YOUR GUILT』の手紙のこと?」
「ええ。手紙の内容は罪の告発です。そして、三度とも手紙はアメリアさんが発見してますよね?」
「そうね……」
真由子の脳裏にあの朝のアメリアの姿が浮かぶ。それを懐かしむように目を閉じて、もう一度開けた。
「手紙自体は元々用意していたと思います。けれど、結果として手紙の送り主は事件に便乗する形になった。落書きと同じように、です。……それが最初の『秘薬』の正体です。……そうでしょう?」
くるりとその人物のほうを向く。
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テーマ : 連載小説 - ジャンル : 小説・文学

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紅崎姫都香

Author:紅崎姫都香
誕生日:4月28日
血液型:A
趣味:小説書き、イラスト描き、楽器演奏
年齢:23。
好きな物(漫画と小説):いろいろ。ツイッターと二次創作ブログでいろいろ書いてるのが好きです。
カップリングもいろいろです。二次創作してるのが主な萌え。
色々なネタで呟きます→@kurekito

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