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杉田真由子の探偵日記「魔女の狩人殺人事件」18

ようやくヴィオリアの屋敷へ。
歴史的建造物はロマンがあって良いと思います。
では、どうぞ。

杉田真由子の探偵日記
「魔女の狩人殺人事件」

13時30分
「ようこそおいでくださいました、私フィレス家のメイドのフェニアと申します」
「同じくフィレス家使用人のトニーと申します」
お初にお目に掛かります、と恭しく迎えられ、真由子は笑顔で目礼を返した。
「ローズシープ家の方からこちらを紹介されて参りました、杉田真由子と申します、初めまして」
「本日は皆さん、ヴィオリアの屋敷をご覧になりたいということでよろしかったでしょうか?」
「ええ。ヴィオリアの屋敷を一回見学したいなぁなんて思いまして」
すると二人は柔らかく微笑んでかしこまりました、と頷いた。少々お待ちくださいませ、とフェニアが早足に歩き去り、トニーがそこに残された。
「ただいまフェニアが鍵を開けに行っておりますので少々お待ちくださいませ」
「分かりました……あ、そうだ、ご主人様のご婚約、おめでとうございます」
一瞬だけトニーの笑顔が固まる。
「え、婚約、ですか?」
「え?確かメアリさんと婚約したってアニーさんが……」
「……あぁ、だから最近ローズシープ様のお屋敷に入り浸りに……そうでしたか」
彼は困ったように笑う。もしかしたら知らなかったのかもしれない。それは悪いことをしたかな、と思う。
「ごめんなさい、もしかしてまだ公表なさってないですか?」
「多分公表はされてないと思います。ただ僕たちはその……メアリ様以外の方とご結婚なされるのだとばかり思っていましたので驚いてしまって」
それこそ初耳だ。朱宇が尋ねる。
「それは、どなたと?」
「えぇと……僕としてはレオナルドぼっちゃまのメンツもございますのであまり公表したくないかなぁと」
「……ま、そうですよね。……捜査に必要になったら聞きますので」
そう返すとまたきょとんとされる。
「捜査、ですか?なにかぼっちゃまがやらかしたんですか?」
「いや、ぼっちゃまじゃないんだけどな?まぁ、ちょっと……な」
紅音がお茶を濁す。暫く彼はきょとんとしていたものの、すぐに何か納得したように頷いた。
「ところで皆様お美しいですね。おいくつですか?」
「あ、ほとんど18なんだけど、朱宇くんだけちょっと年下なんですよね。あとみさきさんとかはもっと年上」
美しい、と言われてまんざらでもないが、学校や捜査で美人を見慣れている身としてはどうでもいいなという感覚しかない。
「そうなんですか。……いや、本当に皆様お美しい」
「なんか……自分が言われている訳じゃないにしても照れる台詞だわ」
「皆様でしょ?入ってると思うわよ?」
「……なんだ。入ってるの」
「そう。入ってるの。……っていうか真由ちゃん、私ずっと聞きたかったんだけどそのベレー帽とトレンチコートはどこから調達してきたの?」
朱奈が怪訝な眼差しで真由子のコートをつつく。現在真由子が羽織っているのはベージュのトレンチコートと同色のベレー帽である。勿論ロンドンで大活躍した、かの有名探偵のオマージュである。
「え、この間セールやってたから合わせて調達してきたの。……どこかおかしい?」
「おかしい訳じゃないんだけど……その、なんでベレー帽まで?」
朱宇の質問は真っ当な疑問だったが、真由子はやっぱり無理があったかな、と漏らした。
「イミテーションのパイプも買ってくるべきだったわ」
「まさか……」
ここでその場の全員が気付いたらしい。みさきが若干顔を引きつらせながら一歩後退る。
「まずは形から、って言うでしょ?分かったかね、ワ○ソンくん?」
「……ワ○ソンくん、誰だよ?」
「やだなぁ、勿論紅音さんに決まってるじゃありませんかぁ」
にこにこ笑いながら紅音のほうを向くと、渋い表情をした彼女に無言で頭をこづかれる。
「お前はいつからミステリーオタクになった?」
「別にそうじゃありません。私がオタクと自称できるのは文学と音楽だけです!」
真由子は別にミステリーオタクになった覚えはない。ただの古典と音楽をこよなく愛する文学オタクにして音楽オタクの女子なだけである。が、紅音はそれをきいて溜息を一つ零した。
「……お前、今度から報告書にコスプレ探偵って書いて良いか?」
コスプレ探偵。コスチュームプレイ衣装を纏ったまま捜査をする探偵。
困る。
非常に困る。
何故なら真由子がコスプレ(もどき)をしたのは今回が初めてな上に、コスプレだという意識すらなかったからである。
「ロンドンの名探偵へ尊敬の念を込めたオマージュなんです!コスプレじゃないです!」
「え、コスプレじゃないの!?」
洸のさも驚きました、という表情に、真由子はがっくりと膝を付いた。
「あの……準備ができましたので、ご案内したいのですが……」
「あ、はい……」

ヴィオリアの屋敷は思っていたほど古びてはいなかった。小綺麗な内装が印象的な小屋だった。
「あの……ここが、ヴィオリアの屋敷なんですよね……?」
「ええ。ここは厨房ですわ」
掃除されたからなのかもしれないが、血の染みや怪しげな薬などは特には見つからない。てっきりそういったものが出迎えてくれると思っていたのが少々拍子抜けした気分ではある。
「なんか、意外ね」
未来の耳打ちに頷く。
「ね。ヴィオリアって血なまぐさい説話だからそういうイメージがついただけかもしれないけど……」
「こちらが地下室ですわ」
地下室。大体拷問器具が置いてあるとすれば地下室である。そう身構えてひんやりと冷気の漂ってくる階段に足を踏み入れる。少し埃っぽい匂いが鼻を突く。
「暗いですから、足下にお気をつけくださいませ」
トニーの声と共にぼんやりと頼りない灯りが地下室を照らし出した。
「え……!?これって……どういう事なの……?」
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テーマ : 連載小説 - ジャンル : 小説・文学

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紅崎姫都香

Author:紅崎姫都香
誕生日:4月28日
血液型:A
趣味:小説書き、イラスト描き、楽器演奏
年齢:23。
好きな物(漫画と小説):いろいろ。ツイッターと二次創作ブログでいろいろ書いてるのが好きです。
カップリングもいろいろです。二次創作してるのが主な萌え。
色々なネタで呟きます→@kurekito

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