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杉田真由子の探偵日記「魔女の狩人殺人事件」11

やっと更新です。
今回少し短いですかね。
では、どうぞ。

杉田真由子の探偵日記
「魔女の狩人殺人事件」

8時20分、ロンドン
「ねぇ紅音。真由ちゃん達って今こっちに来ているのよね?」
早朝のオフィスで、警視庁から2週間の出張をしてきている紅河みさき警視はそう問いかけた。話し相手の礼波紅音警部が頷く。
「だろうな。特に飛行機遅延のニュースも聞かないし……なんで星李や玲はフランスなんだよ?」
「さぁ?……でも一緒ならよかったのにね」
「警視も警部も、一緒にまわってる暇なんか無いですからねっ」
割ってはいるのは男の声。みさきの直属の部下、安月唐也(あづきとうや)警部補である。机に鞄を載せる仕草が、どこか寂しそうに見える。みさきも紅音もその理由を大方分かっているだけに溜息を吐くしかなかった。
「真くんだけですよ、今回の出張楽しめるの」
「あいつは警察官じゃないからな」
「そうよ?ただのアマチュアカメラマンでしょうが」
「そうなんですけどね?2週間電話だけだと僕としては寂しいんですよ」
「星李と会えないから?」
唐也は静かに首を横に振って、それもありますけど、と続けた。
「子供のことが心配で……一応弟が見ていてはくれるんですけどね?」
「あぁ……というか、そもそもなんで星李と玲が出張するんだよ。あいつら鑑識医と巡査だろ?」
紅音が紅茶を飲みながら至極面倒くさそうに呟く。
だが、確かに言い分は通っている。鑑識チームとは呼ばれているが、実際に捜査一課に属しているのは鑑識医の虎星李と訳あってノンキャリアの白城玲(しらじょうれい)巡査だけだ。
割合出世の早い唐也もノンキャリアであるが、こちらは刑事部に所属している。
残りのみさきと紅音はいわゆるキャリア組で、唐也と同じく刑事部。
先ほど唐也が話題に出した真くん、というのは玲の夫の白城真(しらじょうしん)のことで、彼は警察ではなく神主なのだが、異様に写真をよく撮るためかり出しているわけだ。
ちなみに人の滅多に来ない神社だとかで気楽に捜査に来てくれるのが利点である。
それが何故か学生時代のつながりやら何やらでいつの間にやら事件捜査ができる環境を創ってしまったのが運の尽きだったようだ。
いろいろと危ない方面にもつながりのある彼らを一所に固めておくためかどうかは知らないが、上層部が結託して例外的にチームを作ってくれたわけである。
それが、今回は二手に分かれての出張だ。
今までは5人一緒の出動だったのが、今回は3人。
気にならない方がおかしいだろう。
「厄介払いですかね……鬼の居ぬ間に何とやら、とか」
誰がなんですって、とみさきは唐也をにらむ。
「ほら、いつも警視は部長をいびって玩具にしてるじゃありませんか」
「失礼ね。いびってなんかいないわよ」
「いびってるだろ、あれは……」
紅音が溜息を吐く。
みさきは確かに刑事部長をゆすったり脅したりして玩具にしているが、何も自分の楽しみのためだけではない。
半分ぐらいはそうだが。
「だからね、真由ちゃんの捜査の尻ぬぐいやってるのよ、私は……あ、そうだ、紅音、いっぺんやってみなさいよ?どうせ今回も何かやったら泣きつかれるんだから」
ひょんな事から真由子と知り合い、彼女の捜査をたまにバックアップするようになってからはみさきがその尻ぬぐいをしている。
尻ぬぐいとはつまり、真由子が捜査に関わったという事実を隠匿するということを言う。
「今回も、ねぇ……ま、大丈夫だとは思うけどな?ほれ、チョコ食べるか?」
目の前に差し出された箱からチョコレートを摘み上げてかじりながら彼女はそうねぇ、と頷く。
「外に出るたびに事件なんか起こってたら探偵なんて旅行できないもんね……それにあの子の事件遭遇率は今のところ半分ぐらいだし」
そのとき、机に置かれた電話が鳴った。何か呼び出しでもあるのだろうか。
「もしもし、おはようございます」
『ミズ・クレガ、お連れの方と一緒にヴェルビオラのローズシープ邸に向かってください』
電話の向こうの女性の指示に、一瞬だけ絶句する。
「え……、ヴェルビオラのローズシープ邸?何でまた?」
『事件です。……どういうわけか、先方からの指名がありまして』
「分かりました。すぐ向かいます」
受話器を置くと、唐也がなんだったんですか、と問うてくる。
「ヴェルビオラに向かえですって。……事件よ」
「事件……?強盗でもあったのか?」
紅音が訝しげに眉をひそめた。
「そう言えば何の事件かは聞いてないわね……すぐ、じゃないから行けば分かるでしょ」
だが、みさきの耳には先ほどの連絡がまだ残っていた。
――先方からの指名、ですって?どうして私のことなんか知ってるのよ、一介の市民が……。
その答えは現地に着いてから明らかになることとなる。

チャイムが鳴る。程なくしてアニーが来訪者を食堂に引っ張ってきた。
「ロンドン市警から参りました、紅河みさきと……え」
「みさきさん!やっと来ましたね」
「……真由ちゃん!?何でここに……」
「まぁ、いろいろありまして……とりあえず、検死をお願いしたいんですけど……」
曖昧に笑ってお茶を濁すと、きゅ、とあり合わせの白い手袋をはめてみさきの手を引っ張る。
「……分かったわ。一旦全員外に出ていなさい」
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テーマ : 連載小説 - ジャンル : 小説・文学

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紅崎姫都香

Author:紅崎姫都香
誕生日:4月28日
血液型:A
趣味:小説書き、イラスト描き、楽器演奏
年齢:23。
好きな物(漫画と小説):いろいろ。ツイッターと二次創作ブログでいろいろ書いてるのが好きです。
カップリングもいろいろです。二次創作してるのが主な萌え。
色々なネタで呟きます→@kurekito

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