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杉田真由子の探偵日記「魔女の狩人殺人事件」10

明日と明後日でバイトが一区切り。本屋とかカラオケとか行きたいです。

そんなわけで探偵日記の続きです。
今回のイギリスの朝食に関しては下記のページを参考にさせていただきました。

イギリスの食事 http://www.geocities.jp/hanatoeikoku/england/englishmeal.html

では、どうぞ。

杉田真由子の探偵日記
「魔女の狩人殺人事件」

暖炉の火がはぜる音。
談笑の声。
暖房が無いからこそ成立しうるこの場面に成る程魔女が座っていてもおかしくはないのかもしれない。
「あの、ですね」
「はい」
「その、お夕飯の後とかお嬢様がたのご機嫌は大丈夫だったんですか?昨日部屋の前にあんな……」
真由子が遠慮がちに尋ねると、アニーは一瞬だけ表情を曇らせた。昨日あれだけ盛大に怒鳴られたのだ。夕飯の後も何かあったのかもしれない。それを見て朱奈と視線を絡める。しかし彼女もさるもの、すぐににこりと元の笑顔に戻った。
「誰かが面白がって書いたんでしょうとお二人とも仰って、気にされてはいませんでしたわ」
「そうですか……それはよかった」
こちらも笑顔で答えるがどうももやもやしたものが拭えない。いやな予感がするような、しないような、気持ちの悪い感覚がする。
「うふ、もしかしたらお茶目な魔女(ヴィオリア)がふざけたのかもしれませんわね」
魔女ヴィオリア。
この辺りに残る伝承の主人公。伝承と言うよりは宗教伝説に近いかもしれない。
どういうわけか吸血鬼じみた伝説だが、ぐっすり眠れてよかった、と真由子は心底ほっとしていた。怪談じみた話なんて聞きたくもない。
「そういえば、昨日マイラさんから魔女の伝説を伺いましたが、魔女の屋敷なんてものは遺ってるんですか?」
「あら、困りましたわね……残っていると思いましたが、生憎ここからは少し離れているもので……ミスター・フィレスのお屋敷のメイドに聞いてみますね」
「レオナルドさんの?近いんですか?」
「ええ。ミスター・フィレスのお屋敷から歩いて数分だったと思いますわ」
へぇ、と真由子は感心したように頷いた。そのとき、客間に置いてあるインターフォンが鳴る。アニーが慌てて受話器を取って、二言三言話すとこちらに向かってお辞儀をした。
「お待たせ致しました。朝食ができあがりましたので、食堂までご案内致します」
時計を見ると、時刻はちょうど8時を指していた。

食堂には全員が集まっていた。お誕生席にダイアナが座り、彼女から見て右側に真由子達、左側にメアリとスターアイ・グループが座るという席順である。
「おはようございます」
「おはよう。ごめんなさいね、お待たせしちゃって」
ダイアナが微笑む。つられてだろうか、メアリもぎこちなく微笑む。
「いえ、いいんです。おかげでちょっといってみたいところも出来ましたし」
「あら、どこかしら?」
「例の魔女様のお屋敷にお伺いしようかなぁと」
失礼します、とケリーが配膳台車を運んでくる。クロワッサンやロールパンの入った籠が置かれる。フレッシュジュースの入った上品なカップ(一人一人色が違うところに趣向を感じる)、スクランブルエッグ・ベーコン・マッシュルームの乗った皿、ジャム(エリシア特製のあれである)、ヨーグルト、フルーツが本日の朝食である。
「いただきまぁす」
小声でそう言ってからフレッシュジュースに口を付ける。
「あ、美味しい」
「どう?イギリスの朝食は」
ダイアナが尋ねる。
「美味しいですね」
「ふふ、イギリスのご飯は不味いだなんて言われているみたいだけど、絶対に美味しいんだから!」
「朝食は美味しいって評判ですよ?」
「まぁ、朝食だけだなんて!」
ダイアナは大げさに驚いてから、フレッシュジュースを一口飲む。クロワッサンを食べていたエリシアがこちらに声を掛けた。
「そういえば、ヴィオリアの屋敷に行きたいんですって?」
「あ、はい」
「レオン、あなたのお家から近いんじゃなかったかしら?」
「え、真由ちゃん、行くの?」
未来が問う。
「うん、なんか面白そうだし」
「でも昨日話聞いてた時、なんか震えてなかった?」
「や、あれはね?私怪談話ダメなのよ」
「あら、あれは伝説でしょ?」
洸がにこにこ笑う。
「怪談話に近いじゃないのよぉ!」
「どうしたの?」
アメリアの問いに、優美が答える。
「真由ちゃん、怪談話ダメなんですよ」
「あら、伝説よ?これ」
「ほら」
「あんなスプラッタなのは怪談でもいい気がしますっ!」
真由子が叫ぶと、透子が首をかしげた。
「スプラッタって、あの秘薬のところかしら?」
「確かにあれは凄いけど、怪談にはねぇ」
「あんなの伝説よぉ!」
などとスターアイ・グループのメンバーはけらけらと笑っている。他人事だと思ってからにして、と恨めしげにヴァレンスを見る。
「じゃあどうして屋敷に行きたいなんて?」
「だって透子ちゃん、なんか気になるじゃない?ヴィオリアがどんな屋敷に住んでいたのかとか」
「要するに」
と、朱宇が入ってくる。朝食の席でコントをするのを危うく止めてくれたらしい。
「真由子さんは怪談は苦手でも伝説が気になるからお屋敷に行きたい、と」
「そういうこと」
クロワッサンをかじりながら頷く。
「だそうです」
洸が日本語を通訳してくれたらしい。
「あぁ、なるほどね……あはは、元気な子だ」
「普段はもうちょっと大人しいんですよ?」
ヴァレンスがヨーグルトを食べながら元気なのは良いことだよ、と笑う。
「エキセントリックでなければ面白いものね」
メアリがベーコンの最後の一切れをかじる。
真由子もデザートのイチゴを口に放り込み、咀嚼して飲み込む。アメリアは見たところ不審な動きはなかったので、朝見たものはなんだったのだろう、と少し考える。
アメリアが本当にバラを食んでいたのかは分からないが、もしかしたら見間違いだったのかもしれない。そうでなければ修道士や修道女に倒されたヴィオリアがいるはずはないし、日本人の客に対するドッキリだったのかもしれない。
そこまで考えて、お誕生席のダイアナがさっきから一言も発していないことに気が付く。
「ダイアナさん?」
「ダイアナがどうしたの?」
「いえ、さっきから何も仰らないので」
「あら、それはおかしいわね……ダイアナ?」
メアリが揺さぶると、テーブルに置かれていた腕がぱたりと落ちる。ジャムを塗ったクロワッサンが床に落ちる。
「ダイアナ?……ダイアナ!?」
「ダイアナさん!?」
メアリの顔が蒼白になる。エリシアが立ち上がってインターフォンを取った。
「サリア?お願い、警察ッ、警察を呼んで!」
一拍遅れて、ヴァレンスも頷いた。
「そうだ……救急車、いや、警察を……早く」
「ダイアナさん……」
ずっと脈を取っていた真由子はダイアナの名を呟き、未来を呼んだ。
「未来ちゃん、私の鞄、こっちに落としてもらえるかな」
「え……?」
「私の知り合いが一昨日からこっちに出張しているはずなの。……そっちに連絡を入れるわ」
「まさか……」
「ねぇ、どういう事なの?」
アメリアが尋ねる。
「どうかなさいましたか!?ダイアナお嬢様!?」
ケリーが駆け込んでくる。その二人だけではなく、部屋にいる全員に聞こえるように、真由子はゆっくりと呟いた。
「脈が……ありません……おそらく、もう亡くなられているかと……」
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テーマ : 連載小説 - ジャンル : 小説・文学

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紅崎姫都香

Author:紅崎姫都香
誕生日:4月28日
血液型:A
趣味:小説書き、イラスト描き、楽器演奏
年齢:23。
好きな物(漫画と小説):いろいろ。ツイッターと二次創作ブログでいろいろ書いてるのが好きです。
カップリングもいろいろです。二次創作してるのが主な萌え。
色々なネタで呟きます→@kurekito

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