「星祭りの詩」2
長らくほっといた「星祭りの詩」の第二話です。
なんか、青春というより友達づきあいみたいな感じも否めませんがね……。
そういえば、別館で連載物始めましたが、いろんな意味で大変。
普通の旅物にすればよかったりして。
でもまあ、あとちょっとで終わるんじゃないかな。
では、どうぞ。
第2話 不協和音
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そんなこんなで、だらだらと一週間が過ぎた。
星史は、うんとロマンチックなポエムにしてねぇ、などとおちょくってくれた女子二人(美織とアカリ)に黙って俺の書いているのを見てろ、もしくはお前らも書けよと言い返すことを続けた。おかげで書きかけでやめた詩が5本、書き上げて没にした詩が10数本。原稿用紙に手書きで書いていたから、昔の作家よろしくぐしゃぐしゃに丸められた用紙を見た母親から、あらあらと笑われた。
そんなこんなで、昼休み、彼は屋上にいた。弁当を食べながら原稿用紙に詩を書き散らしていると、屋上のドアが開いてスカートの裾が見えた。
「美織」
「なんだ、ここか」
美織はにこりと微笑んで、原稿用紙をのぞき込んだ。
「お前な……」
「あら、いいじゃない」
「いいじゃない、じゃない」
「で、星史。もうネタ切れなわけ?」
彼のツッコミにかまわず、彼女は質問をする。星史は思い切り渋い顔をしてみせた。
「イヤちょっと待て。お前らがもれなく邪魔してくるから、俺のネタの半分は貴い犠牲と化したんだろうが」
「だって星史ったら、おもしろいんだもん」
「イヤちょっと待て美織。何で俺がいじられなきゃならんのだ」
つっこまれた美織はくすくすと笑う。星史はたまに、彼女の思考が読めなくなる。それを独創ワールドと名付けているのだが、本人は全く気にしていない所か、彼の思考にも使ってくるのだから始末が悪い。
「大体お前らが書いているところ、俺見たことない」
「失礼ね、書いているわよ。家で」
「家って……」
「学校で書いてるとこ、みられたくないもん」
「書く時間なんか、あるのか?」
「あるのよ」
「随分余裕なんだな」
「余裕なんかないわよ」
それ以上言えなくて、二人は立ちすくんだ。彼女も彼も、皮肉ったつもりなんかないのに、相手の言葉が皮肉に聞こえてならなかったのだ。だから、短い挨拶だけで屋上をあとにした。
それでも、美織は大切な幼なじみだった。
なぜだかは知らないが、素っ気ない態度になってから、大事だと思えた。どこかの恋愛小説でもあるまいし、そんな表現は友達に使う物ではないだろうと思いながら。
放課後。先に帰ってしまった美織を、アカリが心配そうに見て、こちらに近づいてくる。
「なにか、あったか」
「ない」
「嘘だろ」
嘘を一目で看破されて、星史は目をそらした。アカリはため息をつきかけると、何を思ったか途中でやめ、腕を組んで、話してみろ、と言った。
「別に話すようなことじゃない」
「いいから」
強い口調で促されて、渋々屋上でのことを話し始める。
いつもの調子で美織が現れたこと。
やりとり。
皮肉に思ってしまったこと。
話を聞き終えたアカリは、呆れたような顔をしていた。
「なんだよ」
「いや、お前ららしいというか」
「イヤちょっと待てよ」
「でもな、星史」
何だよ、と返すと、アカリは困ったように眉を寄せる。
「二人とも、これで余裕なくした」
「そんな訳あるか!」
強い口調で遮ると、彼女は驚いてすくんだ。星史も、自分の声に驚いてすくんだ。
「そんなわけ……あるかよ」
「そうか」
驚くほど、静かな声だった。
「悪かったよ、そんなことで聞いて!」
そう吐き捨てると、アカリは鞄を持って教室を出て行ってしまった。
「なんだよ……」
星史の声が、誰もいない教室にこだました。
つづく
なんか、青春というより友達づきあいみたいな感じも否めませんがね……。
そういえば、別館で連載物始めましたが、いろんな意味で大変。
普通の旅物にすればよかったりして。
でもまあ、あとちょっとで終わるんじゃないかな。
では、どうぞ。
第2話 不協和音
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そんなこんなで、だらだらと一週間が過ぎた。
星史は、うんとロマンチックなポエムにしてねぇ、などとおちょくってくれた女子二人(美織とアカリ)に黙って俺の書いているのを見てろ、もしくはお前らも書けよと言い返すことを続けた。おかげで書きかけでやめた詩が5本、書き上げて没にした詩が10数本。原稿用紙に手書きで書いていたから、昔の作家よろしくぐしゃぐしゃに丸められた用紙を見た母親から、あらあらと笑われた。
そんなこんなで、昼休み、彼は屋上にいた。弁当を食べながら原稿用紙に詩を書き散らしていると、屋上のドアが開いてスカートの裾が見えた。
「美織」
「なんだ、ここか」
美織はにこりと微笑んで、原稿用紙をのぞき込んだ。
「お前な……」
「あら、いいじゃない」
「いいじゃない、じゃない」
「で、星史。もうネタ切れなわけ?」
彼のツッコミにかまわず、彼女は質問をする。星史は思い切り渋い顔をしてみせた。
「イヤちょっと待て。お前らがもれなく邪魔してくるから、俺のネタの半分は貴い犠牲と化したんだろうが」
「だって星史ったら、おもしろいんだもん」
「イヤちょっと待て美織。何で俺がいじられなきゃならんのだ」
つっこまれた美織はくすくすと笑う。星史はたまに、彼女の思考が読めなくなる。それを独創ワールドと名付けているのだが、本人は全く気にしていない所か、彼の思考にも使ってくるのだから始末が悪い。
「大体お前らが書いているところ、俺見たことない」
「失礼ね、書いているわよ。家で」
「家って……」
「学校で書いてるとこ、みられたくないもん」
「書く時間なんか、あるのか?」
「あるのよ」
「随分余裕なんだな」
「余裕なんかないわよ」
それ以上言えなくて、二人は立ちすくんだ。彼女も彼も、皮肉ったつもりなんかないのに、相手の言葉が皮肉に聞こえてならなかったのだ。だから、短い挨拶だけで屋上をあとにした。
それでも、美織は大切な幼なじみだった。
なぜだかは知らないが、素っ気ない態度になってから、大事だと思えた。どこかの恋愛小説でもあるまいし、そんな表現は友達に使う物ではないだろうと思いながら。
放課後。先に帰ってしまった美織を、アカリが心配そうに見て、こちらに近づいてくる。
「なにか、あったか」
「ない」
「嘘だろ」
嘘を一目で看破されて、星史は目をそらした。アカリはため息をつきかけると、何を思ったか途中でやめ、腕を組んで、話してみろ、と言った。
「別に話すようなことじゃない」
「いいから」
強い口調で促されて、渋々屋上でのことを話し始める。
いつもの調子で美織が現れたこと。
やりとり。
皮肉に思ってしまったこと。
話を聞き終えたアカリは、呆れたような顔をしていた。
「なんだよ」
「いや、お前ららしいというか」
「イヤちょっと待てよ」
「でもな、星史」
何だよ、と返すと、アカリは困ったように眉を寄せる。
「二人とも、これで余裕なくした」
「そんな訳あるか!」
強い口調で遮ると、彼女は驚いてすくんだ。星史も、自分の声に驚いてすくんだ。
「そんなわけ……あるかよ」
「そうか」
驚くほど、静かな声だった。
「悪かったよ、そんなことで聞いて!」
そう吐き捨てると、アカリは鞄を持って教室を出て行ってしまった。
「なんだよ……」
星史の声が、誰もいない教室にこだました。
つづく
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