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創作ブログ(旧『花待館』)です。 なお、当館内に掲載しております作品等については著作権を放棄しておりません。

「野菜白書」
あ~……うっかりしてたら差し上げ原稿が吹っ飛びました。うぇん。
ほんと、リクばっかためこみすぎかも。
というわけで、がんばります。

あの……花/帰/葬二次なんですけども、ゲーム自体やっていません(体験版はやりました)。
なので、ちょっと世界観がおかしいかもです。




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『野菜談義』

珍しく、玄冬が箱庭に来た。白梟に相談したいことがあるという。
内容は、やはり黒鷹のことだった。

「要するに、どうしても黒鷹が野菜を食べないと」
「そういうことだ」
黒鷹は、自信が猛禽類であることを理由に、野菜を絶対に食べようとしない。
それが、ベジタリアンである玄冬の苦労の種であるのだ。
隣に座った花白が、また世界樹だとかなんとか言ってるんだろ?と聞く。
「ああ……今朝も、ブロッコリー一つ食べずに逃げられた」
白梟は、暫し考え込んだ。
前にも似たような騒動に巻き込まれた記憶がある。
その時は、ナイフを投げた気がする。
「白の鳥ならもしかしたら、と」
「白梟」
「……わかりました。協力しましょう」
前回のようにとんでもないものを一緒に食べさせられてはたまらない。

「え~と、玄冬?」
黒鷹は、目の前に置かれた料理に顔を引きつらせた。
野菜スープである。
「なんだ、黒鷹」
「私は猛禽類なんだけど」
「野菜も食べろ」
「いやだから猛禽類だから野菜は無理」
「最近はやりの何とか症候群になりたいのか」
「ならないから!」
顔色一つ代えずに野菜を食べろと迫る玄冬に、黒鷹は逃げだそうと身をよじった。
魔王玄冬、降臨の危険信号がともったからである。
しかし、それは凛と響いた声によって、かき消された。
「いい加減にあきらめなさい、黒鷹」
「し……白梟!」
何であなたがここにいるんだ、とか、なんで同じ猛禽類なのに野菜を食べさせようとしてるんですか、とか、言いたいことは山ほどあったが、白梟が黒鷹の目の前に来て、皿を取ったとき、彼はその美しさに思考を忘れた。
そして、白梟が皿から人参をとり、黒鷹の口元へ持っていく。
「え、あの……」
「口を開けなさい」
反射的に、口を閉じた。白梟の顔つきが、険しくなる。
と、突きつけられていた人参の気配がなくなった。
そして、次の瞬間、
唇をふさがれて、何かが黒鷹の口の中に転がり込んできた。
「!」
玄冬も花白も、目を丸くして二人を見ている。
唇を放した白梟が、かすかに微笑んだ。
「食べられたではありませんか」

黒鷹の口の中に残った人参の味と、口づけの余韻が、しばらく残っていた。
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