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創作ブログ(旧『花待館』)です。 なお、当館内に掲載しております作品等については著作権を放棄しておりません。

「trip travel tour」
こんばんわ。あぁ。何故かこんなのしかできません。
今回もまた探偵日記ネタ。
でもちょっとギリシャ版はいっています。
別に番外編じゃないです。
「紅音」
「なんだ」
隣に響く柔らかい声に、紅音はそちらを向く。
「私、知らなかったわよ」
「何が」
「アンタもちゃんと、小学生だったのね」
「……おい」
声の主である所の玲はくすくすと笑う。
「そう言うお前は、どうなんだよ」
「失礼ね……私だってちゃんと小学生してたわよ」
ただね。そう玲は続ける。
「アンタがあんまり擦れてたからどうだんったんだろう、って心配だったのよ」
「……玲……」
物凄く失礼発言を出しながらも、玲の変な所で屈折した優しさは、紅音の胸にしみた。
「でも、今はどうだか知らないけど……聞かないけど……」
「……幼馴染みを死の危険にさらすほど、私は薄情じゃない」
「あら……」
玲が言葉を切る。その双眸に一瞬だけ、影が差した。
紅音はわかっていてそれを見とがめなかった。
「じゃ、信じてみようかな」
「……ああ」
休暇を取るといったとき、わかっていて玲は紅音の過去をばらさなかった。けれど、その顔は何処か非難するような、心配するような顔をしていた。
「でも、紅音。私はアンタの過去を一番知ってるわ。だから、アンタが辛いことは一目でわかる。だから」
「……ああ」
「もう自分を、傷つけないでよ」
「……ああ」
「絶対よ」
「……ああ」
ようやく、玲の顔に安堵が広がった。
「さて、真由子たちも待っているんじゃねえか?」
「あ……そうね」
そして、2人はプールへ向かう。パーカーを勢いよく脱ぎ捨てて。
「え~!紅音さん、そんなに泳げるんですか~!?」
という真由子の叫び声を迎えながら。
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