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創作ブログ(旧『花待館』)です。 なお、当館内に掲載しております作品等については著作権を放棄しておりません。

海咲き草Ⅰ 第二話
はい、第二話です。
なんか楽しい。そんなちびっ子たちなのです。
では、どうぞ。

第二話 感じ取るのは、その匂い

「私たちと共に、探してくれませんか?」
「うん、いいよ」
あっけらかんと答えた葵と百合に、藤絹は暫し唖然とした。
「え……」
「だから、いいってば」
「だって暇だったし」
「……」
葵のじれったそうな声と、百合の含みのある台詞に、またも彼は呆然とする。そんな彼を見かねてか、龍妃が首を前に倒した。
「ありがとうございます。断られたらどうしようかと思っていらっしゃったみたいで……」
「あぁ、べつに、だからどうってわけでもないし」
「ゲーム出来なくなったら困るし」
「……」
極端にゲームや本に縋る百合の台詞に、葵もさすがに困ったような笑みをこぼした。
「さて……まず、どこに行きましょうか……」
「うぅん……」
「あっ!」
百合がぽんと手を打つ。
「コンビニと園芸店!」
「……え」
「ちょっと遠いけど、あるはずよ~!」
つまり、コンビニで水を買い、園芸店で土を買えばいい、ということらしい。
「……水と土は海咲き草に合う清らかさ……最上級のものがよろしいのですが、ありますか?」
「多分」
「たぶんって!」
龍妃が突っ込む葵をまあまあと宥め、お乗りください、といった。

「そういえば……こんなに大きいと気付かれちゃうよ?」
葵がもっともな疑問を呈した。
龍妃は今更気付いたようにあぁ、といった。
「それならば大丈夫ですよ」
そう言うと彼(或いは彼女)はもう少しとんで、目的地と思しきコンビニの前で二人を降ろした。そしてそのまま、藤絹と共にぽんという音を立ててもとのガラス細工になった。
ガラス細工は葵が抱えて、2人はコンビニに入る。
「のみもの……あ、これ?」
百合が指さしたのは、2リットル入りのミネラルウォーター。ちなみにパッケージには安っぽいフォントで『地球の恵み』と書かれている。
「……おもい~」
---違いますよ。
「へ?」
ガラス細工が言葉を発する。
---この水には……『光』が見えません。
「ひかり?」
「ええっと、安里おじちゃまの頭からキラーンってでてるやつ?」
「……おじちゃまそんなにつるつるじゃないよ~」
---……そうではなくて……お見せしましょうか……。
突如、寒いくらいにクーラーが効いた店内で、二人はぬるま湯を被ったような暖かさに包まれた。
「……!?」
先ほどまでキラキラ輝いていた水からはなんの光も感じられない。
---海咲き草に見合う清らかさとは、ただ綺麗なだけでは駄目なのです。土も、ここで手にはいるのですか?
「ううん、園芸店」
だが、ここで問題が一つ。
「あり?道がわかんないや」
都会のコンクリートジャングルで、百合は完全に道を忘れていた。
「……どうします?」
「探してみましょう」
つづく
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