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創作ブログ(旧『花待館』)です。 なお、当館内に掲載しております作品等については著作権を放棄しておりません。

『Romeo and Juliet?』
……とうとう作ってしまった……。
前に?叫んでいた、「paranoia」というサイト様のオンラインゲームの「カフェ編」からの二次創作です。管理人さまにもお届けしてきます。あう、どきどき……。
では、どうぞ。

あ、忘れてましたが、主人公の名前はそのゲームではここに出てくる名前ではありません。任意で決められるのですよ!
あと、紅崎には珍しい年下傾向です。
『Romeo and Juliet?』

「……グノー、ですか」
「そう」
3つ年上の恋人が、見事なフルートを披露してくれた。自分のヴァイオリンと合わせてみたいと言われた時には、全く想像もつかなかったことだけれども。
亮は小さく微笑んで、ヴァイオリンを手に取った。
「……ところで、勉強の方は大丈夫なんですか?」
「大丈夫……ってか、私こっちの高校行っていないの、知っているんじゃないの?」
「え……」
亮の狼狽える姿。滅多に表情を崩さない彼の、それでも驚きを隠せない姿に、彼女は小さく微笑んだ。
「あ、言ってなかったっけ?私、ほんとはウィーンに留学しているの。だけど、こっちの音大受けようと思って」
「……聞いて、無い……」
あらら、ごめんね~、と彼女曰くの大人の余裕で受け流されて、彼はヴァイオリンの弓を持った手をだらんと下げた。
「……ですが、月夏さまは何故こちらに?」
彼の教育係(?)・村山がさりげなく問うが、彼女……月夏はただ曖昧に笑うばかりで、答えはしなかった。
「……それが大人の見せる態度ですか?」
「たぶん、ね」
そしてまた、グノーのアヴェ・マリアを吹き始める。澄んだ高音が響き渡り、伴奏者のいないその曲は終わった。
「亮君も弾いてよ、何か」
「……質問に答えて欲しいのですが」
「……無理よ……」
「……何故?」
「……あなたの求める答えではないから」
「そんなこと……」
「あるんじゃない?……分かる日なんか、来なくていい。私は、あなたが好きだから」
月夏にこんなにはっきり気持ちを吐露されたことは、無かった。告白した時でさえ、「面白そう」の一言で片付けられ、拗ねたこともあったのに。
「……珍しいですね」
「そう?……たまには、欧米流に。ドレス着たら、エスコートしてあげるけど?」
「あなたが着てください」
「べつに、いいわよ?」
あっさりと快諾されて、亮も村山も拍子抜けしたような顔になる。
「ただし、踊れれば、ね……」
そう言って、彼女は楽譜の入ったバッグの中から2枚、紙切れを取り出した。
「……うちが主催する、ダンスパーティ。暇なら、来てみたら?私も一曲くらい吹くし」
「……それは、どういう……」
「別に、他意はないわ。ただ、父が、そろそろ見合いを進めてくる時期だから」
じゃあ、私レッスンだから。お茶、ありがとうございました。そう言って帰っていく月夏の後ろ姿を見ながら、村山は僅かに肩を竦めた。
「亮さま、いかがなさいますか?」
「……村山」
「はい」
「フォーマルを、仕立ててくれないか?」
「かしこまりました」
亮が、ここまで他人に執着するのは村山ですら見たことがない。本心を見せることのない二人の恋の行方はどうなることやらと、彼は密かに苦笑した。

つづくかもしれません。
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